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食品と放射能Q&A 井戸水の放射性物質検査実施しています | 白河市公式ホームページ

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(1)
(2)
(3)

  福島第一原子力発電所事故により、一部の食品や水道水から放射

性物質が検出されました。このため、原子力災害対策本部長(内閣総

理大臣)から出荷制限や摂取制限の指示が行われている地域があり

ます。

  消費者庁では、食品等の安全と放射能に関して、消費者の皆さん

が疑問や不安に思われていることを、Q&Aによって分かりやすく

ご説明したいと考えています。

  この冊子が、放射能による健康被害や風評被害の防止にお役に立

てば幸いです。

はじめに

(4)

 目次

1

放射線、放射能、放射性物質はどう違うのですか。 ……… P6

2

放射線は人体へどんな影響を与えるのですか。 ……… P7

3

放射能の単位「ベクレル」と「シーベルト」はどう違うのですか。 ………… P8

4

食品の暫定規制値が定められた放射性物質には、どんな種類

   がありますか。 ……… P9

5

「外部被ばく」と「内部被ばく」はどう違うのですか。 ……… P10

6

放射性物質の半減期とはどういうものですか。

「物理学的半減期」と「生物学的半減期」はどう違うのですか。 …… P11

7

乳幼児や妊産婦(胎児)への影響が心配です。

どんな配慮が必要ですか。 ……… P12

1

食品や水道水に含まれる放射性物質に関する規制はどのようなものですか。 加工食品も規制対象となりますか。 ……… P14

2

「暫定規制値」は、海外と比較して違いがありますか。 ……… P16

3

暫定規制値を超える食品を一時的に食べても「健康に影響はない」 というのは本当ですか。 ……… P18

4

当初は「直ちに健康に影響を及ぼすものとは考えられません」と言っていたのに、 その後、「直ちに」という文言が削除されたのはなぜですか。 ……… P20

5

農産物はきちんとモニタリング検査が行われているのですか。 …… P21

1

出荷制限と摂取制限の仕組みは。 ……… P22

2

出荷制限期間中の千葉県香取市産ホウレンソウ1万束以上が出荷され、 そのほとんどが消費されていた、とのことですが。 ……… P23

問3 住民が立ち入れない地域がある一方で、なぜ野菜の出荷制限は

解除できるのですか。 ……… P24

1

摂取制限等の指示において、どのような考え方で野菜を分類している のですか。また、「野菜類等」にはお茶が含まれますか。 ……… P26

2

野菜の放射性物質検査は、どのような結果となっていますか。 …… P27

3

生鮮農産物の原産地表示はきちんと行われているのですか。 …… P28

4

家庭菜園の野菜は安全ですか。……… P29

5

野菜をゆでたり洗ったりすると放射能の値が減りますか。 ……… P30

放射能の基礎知識・

人体への影響

1

食品の放射性物質に

関する規制

2

「出荷制限」及び

「摂取制限」と

解除の考え方

3

(5)

食品と放射能

Q

&

A

米の安全性 

魚の安全性 

牛乳・肉・卵の安全性

水道水の安全性

7

1

お米はきちんと検査されるのですか。 ……… P31

1

現在販売されている水産物は食べても大丈夫ですか。 ……… P32

2

生鮮水産物の原産地表示はきちんと行われているのですか。 ………… P33

1

 原乳は、農場単位でなくクーラーステーション単位で 検査が行われています。    これでは、暫定規制値を上回っているものと そうでないものが混合され、 正しい検査にはならないのでは。 ……… P34

2

 牛乳の表示のどこをみればその原産地がわかるのですか。 ………… P35

3

肉や卵に、放射性ヨウ素の暫定規制値を定める必要はないのですか。 P36

問4 牛肉が大問題になりましたが、何が起きていたのですか。 ……… P37

問5 牛肉を食べるのが不安です。どう行動したらいいのですか。 ……… P40

問6 鶏肉や豚肉も心配です。大丈夫ですか。 ……… P42

       問

1

 野生きのこや、いのししやなどの野生獣について、

   検査はどうなっていますか。 ……… P43

1

 水道水に含まれる放射性物質の「指標」はどんなものですか。 …… P44

2

 水道水について、きちんと検査が行われているのですか。 ………… P45

6

5

野生きのこ・

野生獣の安全性

(6)

 「放射線」は物質を透過する力を持った光線に似たもので、アルファ

(α)線、ベータ(β)線、ガンマ(γ)線、エックス(X)線、中性子線などがあ ります。放射線はこれら種類によって物を通り抜ける力が違いますので、 それぞれ異なる物質で遮ることができます。

 この放射線を出す能力を「放射能」とい い、この能力をもった物質のことを「放射 性物質」といいます。懐中電灯に例えてみ ると、光が放射線、懐中電灯が放射性物質、 光を出す能力が放射能にあたります。

 一般に「放射能漏れ」とは「放射性物質漏れ」のことであり、放射線を出 す放射性物質が原子力施設の外部に漏れ出すことです。

放射能の基礎知識・人体への影響

1

1

放射線、放射能、放射性物質は

どう違うのですか。

1

2

3

放射線の種類と透過力

資源エネルギー庁「原子力2010」

α線を止める    β線を止める    γ線、X線を止める   中性子線を止める

紙 アルミニウム等の 薄い金属板

水やコンクリート 鉛や厚い鉄の板

アルファ(α)線

ベータ(β)線

ガンマ(γ)線、 エックス(X)線

(7)

 人体は多くの細胞からできており、健康な細胞は細胞分裂を繰り返し ています。一度に大量の放射線が細胞にあたると、細胞が死んだり細胞分 裂が遅れます。このため、細胞分裂が盛んな組織である造血器官、生殖腺、 腸管、皮膚などに一度に大量の放射線を受けた場合、数週間以内に障害が 起きることになります。

 少量でも長期的に一定量の放射線を受けることで、造血器官などの細 胞の中のDNAなどの遺伝物質が損傷し、修復能力が追いつかず、がんや白 血病などになることもあります。これらの病気が発症するかどうかや、発 症時期は人によって差があります。

 こうした放射線の影響は、大人よりも細胞分裂が活発な乳幼児・子ど も・妊産婦(胎児)のほうが受けやすくなります。

食品と放射能

Q

&

A

放射能の基礎知識・人体への影響

2

放射線は人体へどんな影響を与えるのですか。

1

2

(8)

 全ての物質は、原子が集まってできています。その中心には原子核があり、 その回りを電子が回っています。

 放射線は、ある特定の原子核が別の原子核に変化(崩壊)する際に放出され ます。1Bq(ベクレル)※1は、1秒間に1個の原子核が崩壊して放射線を出す

放射能の量で、数値が大きいほど、放射線を放出して崩壊する原子核の数が 多いことになります。

 ただし、放射性物質の種類によって放出される放射線の種類や強さが異な りますので、同じ1,000Bq(ベクレル)の放射能を有していても、放射性物質の 種類が違えば、人の体に与える影響の大きさは異なります。そこで、人間が放 射線を受けた場合の影響度を示す共通の単位が別にあります。これが、Sv (シーベルト)です。計測結果が同じ1Sv(シーベルト)であれば、人体に与え

る影響の程度は同じだということになります。

Bq(ベクレル)とSv(シーベルト)は以下のように換算できます。

(例1)

500Bq /㎏の放射性セシウム137が検出された飲食物を1kg食べた場合の 人体への影響の大きさは、

 500×1.3×10-5※2=0.0065mSv(ミリシーベルト)※3となります。 (例2)

300Bq /㎏の放射性ヨウ素131が検出された飲食物を1kg食べた場合の人 体への影響の大きさは、

 300×1.6×10-5※2=0.0048mSvとなります。

※1: Bq(ベクレル)の単位が使われる以前には、Ci(キュリー)という単位が使われており、     1Ci=3.7×1010Bqで換算できます。また、ある物質によって、吸収された放射線の エネルギーをあらわすGy(グレイ)という単位が使われることもあります。

※2: 実効線量係数(mSv/Bq):放射能の単位であるベクレルから生体影響の単位であるmSv    (ミリシーベルト)に換算する係数。核種(放射性物質の種類)、化学形、摂取経路別に国 際放射線防護委員会(ICRP)などで示されています。上の例で は、原子力安全委員会の

3

放射能の単位「ベクレル」と

「シーベルト」はどう違うのですか。

1

2

3

放射能の基礎知識・人体への影響

(9)

 厚生労働省が食品中の放射性物質に関して定めた暫定規制値の対象と した放射性物質は、「放射性ヨウ素」、「放射性セシウム」、「ウラン」、「プ ルトニウム及び超ウラン元素のアルファ核種」の4つです。

 食品安全委員会が3月29日に公表した「放射性物質に関する緊急とり まとめ」では、これまでのチェルノブイリ原子力発電所などにおける災害 の知見からも、今回の福島第一原子力発電所の事故において緊急に検討 すべき物質として、放射性ヨウ素(ヨウ素131)と放射性セシウム(セシウ ム134、137)をあげています。

 厚生労働省が公表している食品中の放射性物質に関する情報でも、ヨ ウ素131、セシウム(134、137)について、検査結果をまとめています。

放射性物質 食品衛生法(昭和22年法律第233号)の規定に基づく

食品中の放射性物質に関する暫定規制値(Bq / kg)

放射性ヨウ素 (混合核種の代表核種:131 I)

飲料水 300

牛乳・乳製品※

野菜類(根菜、芋類を除く。) 2,000 魚介類

放射性セシウム

飲料水 200

牛乳・乳製品 野菜類

500 穀類

肉・卵・魚・その他

ウラン

乳幼児用食品

20 飲料水

牛乳・乳製品 野菜類

100 穀類

肉・卵・魚・その他

4

食品の暫定規制値が定められた

放射性物質には、どんな種類がありますか。

1

2

3

(10)

 放射線を被ばくする形態に、「外部被ばく」と「内部被ばく」があります。 「外部被ばく」とは、体の外にある放射性物質から放出された放射線を受け

ることです。

 これに対し、「内部被ばく」は、放射性物質を含む空気、水、食物などを摂 取して、放射性物質が体内に取り込まれることによって起こります。体内 に取り込まれる経路には、①飲食で口から(経口摂取)、②空気と一緒に(吸 入摂取)、③皮膚から(経皮吸収)、④傷口から(創傷侵入)の4通りがありま す。

 「外部被ばく」は、放射性物質から離れてしまえば、被ばく量が減ります (例えば、距離が2倍になれば被ばく量は1/4になります)。「内部被ばく」

は放射性物質が体内にあるため、体外にその物質が排出されるまで被ばく が続きます。(問6参照)

 なお、次の図のとおり、私たちは日常の生活の中でも自然放射線によっ て「外部被ばく」と「内部被ばく」をしています。原子力発電所事故によって 放出された放射性物質から放出された放射線を受けると、自然放射線に加 えて被ばくすることになります。

■わたしたちが1年間に受ける自然放射線■ 一人当たりの年間線量(世界平均)

5

「外部被ばく」と「内部被ばく」は

どう違うのですか。

1

2

3

4

放射放射能等についての基礎知識・人体への影響

(11)

 放射性物質は、自然界に永遠に残るものではありません。放射性物質は 放射線を放出して別の原子核に変化して、最終的には放射性物質でなく なります。元の放射性物質の原子核の個数が全体の半分に減少するまで の時間は種類によって違い、例えばヨウ素131の場合は約8日、セシウム 137は約30年です。これを、「物理学的半減期」と呼んでいます。

 一方、食品などと一緒に体内に取り込まれた放射性物質は、体内で一部 血中に入り、呼気や汗、あるいは便や尿などの排せつにより体外に出され ます。こうした過程により体内の放射性物質が半分に減少する期間を「生 物学的半減期」と呼んでいます。

 生物学的半減期はおおよそ、ヨウ素131では乳児で11日、5歳児で23 日、成人で80日です。セシウム137では1歳までは9日、9歳までは38日、 30歳までは70日、50歳までは90日です。

 したがって、例えば、物理学的半減期が30年と長いセシウム137が体内 に取り込まれた場合、体内に残存する量は、3ヶ月で半分に減ることにな ります(50歳の場合)。

 放射性物質の物理学的半減期は、放射性物質の種類によって決まり、調 理等の加熱処理などには影響を受けません。汚染された食品を冷凍した場 合も、物理学的半減期は同じです。

6

放射性物質の半減期とはどういうものですか。

「物理学的半減期」と「生物学的半減期」は

どう違うのですか。

1

 

2

 

 

3

4

ヨウ素 ヨウ素131(原子量は約131)は、環境汚染及びヒトに対する放射線量という観点から、最も重要な放射性物質の一つ と考えられています。ヨウ素131は、核分裂によって生成し、物理学的半減期は8.04日です。

口から摂取されたヨウ素は容易に消化管から吸収され、血中に入った後、30%は甲状腺に蓄積し、残りは体内から 排泄されます。

(12)

 水道水については、3月21日以降、一部の地域において、放射性物質の濃度 が乳児の摂取に関する指標(放射性ヨウ素:100Bq(ベクレル)/kg)を超えた ために、当該の自治体から住民に対し、乳児の飲用を控えるよう要請されま した。しかし、その後、放射性物質の数値が下がったため、順次、摂取制限が解 除され、10月20日現在、飲用を控えるよう摂取制限が行われているところ はありません(乳児を含む)。

 4月30日に厚生労働省が「母乳の放射性物質濃度等に関する調査につい て」を公表しました。

 この調査は、福島県・関東地方の乳児を持つ母親の母乳中の放射性ヨウ素(ヨウ 素131)、放射性セシウム(セシウム134、セシウム137)を測定したものです。  調査数や地域が限られているものの、母乳中の放射性物質は不検出または 微量の検出という結果でした。

 

その後、母乳から微量の放射性物質が検出された方を対象にした再測定を 行い、いずれの人も母乳中の放射性物質は不検出となりました(5月17日公 表)。

 これらの調査結果から厚生労働省は、

(1)放射性物質については、必要な場合には、避難指示や飲食物の摂取制限 などの対応が行われており、空気や水、食物から母乳に放射性物質が移 行したとしても、乳児への健康影響はないと考えられる。

(2)母乳には栄養面等で様々な利点があることから、授乳中の方についても、過度な 心配はせず、引き続き、普段どおりの生活を行っていただいて問題ない。 としています。

 また、国立保健医療科学院が、母乳中の放射性物質濃度に関する調査を 行いました。一部の人の母乳から放射性セシウムが検出されたものの、 微量であり、乳児への健康リスクはないとの評価結果を6月7日に公表し ています。

乳幼児や妊産婦(胎児)への影響が心配です。

どんな配慮が必要ですか。

1

2

3

4

5

放射能の基礎知識・人体への影響

1

(13)

食品と放射能

Q

&

A

   

「水道水について心配しておられる 妊娠・授乳中女性へのご案内」

[抜粋]

(平成23年3月24日 日本産科婦人科学会)

 参考   軽度汚染水道水(1kg当たり200ベクレル前後の放射性物質を含む水道水)を妊

娠期間中(最終月経開始日より分娩まで)毎日(計280日間)1.0リットル(1,000ミリ リットル)飲むと仮定した場合、妊娠女性がその間に軽度汚染水道水から受ける 総被ばく量は1,232マイクロシーベルト(1.232ミリシーベルト)と計算されます。  お腹の中の赤ちゃん(胎児)に悪影響が出るのは、赤ちゃんの被ばく量が50,000マ

イクロシーベルト(50ミリシーベルト)以上の場合と考えられています。

 母乳中に分泌される(出てくる)放射能活性を持ったヨウ素は母体が摂取した量の 4分の1程度と推測されますが、確定的なことはわかっていません。

1.

2.

(14)

 水道水に関しても同様に、原子力安全委員会が提示した指標を基に、厚 生労働省は以下のような摂取に関する指標値を定めています。

 加工食品自体も暫定規制値の対象ですが、その原材料の段階で、問題が 生じないように野菜や原乳などのモニタリング調査が行われています。  食品(ペットボトル入りなどの飲料水や食べ物)に含まれる放射性物質 については、原子力安全委員会が提示した指標を基に、厚生労働省が食品 中の放射性物質に関する暫定規制値を定めています。これを上回る食品 は、食用にすることはできません。

 現在、食品に含まれる放射性ヨウ素と放射性セシウムに関する「暫定規 制値」は、以下のとおりです。

1

食品や水道水に含まれる

放射性物質に関する規制はどのようなもの

ですか。加工食品も規制対象となりますか。

1

2

3

4

※100Bq/kgを超えるものは、乳児用調製粉乳及び直接飲用に供する乳に使用しないよう指導すること。

対象 放射性セシウム

飲料水

200Bq(ベクレル)/kg 牛乳・乳製品

野菜類

500Bq(ベクレル)/kg 穀類

肉・卵・魚・その他

2

食品の放射性物質に関する規制

対象 放射性ヨウ素(混合核種の代表核種:131I)

飲料水

300Bq(ベクレル)/㎏ 牛乳・乳製品※

野菜類(根菜、芋類を除く。)

2,000Bq(ベクレル)/㎏ 魚介類

乳児以外  放射性ヨウ素 300Bq(ベクレル)/kg

  放射性セシウム 200Bq(ベクレル)/kg

乳児  放射性ヨウ素 100Bq(ベクレル)/kg

(15)

食品と放射能

Q

&

A

日常生活と放射線

(単位

mSv

(ミリシーベルト)

)

参 考

0.01

0.1

1

10

100

1000

0.005 0.0007

0.6

2.4

6.9

250

CTスキャン(1回)

胃のX線集団検診(1回) 東京→ニューヨーク航空機旅行(片道)

500Bq/kgの放射性セシウム137(野 菜、穀類等の暫定規制値)が検出 された飲食物を100g摂取した場合

緊急作業従事者の被ばく限度 (年間)

世界の高線量地域での自然放射線量 (ブラジルのガラパリ)(年間) 自然からの放射線量 (1~13mSv/年)

1人当たりの自然放射線(年間・世界平均)

一般公衆の線量限度(年間) (医療除く)

300Bq/kgの放射性ヨウ素131(飲料水、乳製 品等の暫定規制値)が検出された飲食物を

1kg摂取した場合(成人)

(16)

 放射性物質に関する海外の基準と日本の比較は参考2となっていま す。厚生労働省が定めた暫定規制値は、原子力安全委員会が国際放射線防 護委員会(ICRP)の勧告に基づき提示した指標値ですので、国際的な考え 方を基にしています。

 コーデックスの指標値は、ヨウ素131だけで比較してみると、我が国よ り厳しくなっています。緊急事態発生により放射性物質に汚染された食 品が国際取引されるような場合でも、当該食品の受入国が何ら対策を考 えなくてもよいレベルという、最も安全側に考えて設定してあるためで す。このコーデックスの指標値を準用したと思われる国がいくつかあり ます。

 厚生労働省では、食品中の放射性物質について、都道府県の検査結果及 び緊急時モニタリングの結果を集約し、公表しています。「公表日順」と 「産地別」に整理され見やすくなっており、厚生労働省のホームページで

見ることができます。

2

「暫定規制値」は、海外と比較して

違いがありますか。

1

2

3

2

食品の放射性物質に関する規制

コーデックス委員会は、消費者の健康の保護、食品の公正な貿易の確保等を目的 として、1963年に設置された国際的な政府間機関であり、国際食品規格(コーデッ クス規格)の策定等を行っています(我が国は1966年より加盟)。

コーデックス委員会の下に、計29部会(休会中の部会も含む)が設けられており、 部会は、加盟国の中から選ばれたホスト国が運営しています。

 加盟国:184カ国、1加盟機関(EU) (2011年2月現在)  事務局:FAO本部(ローマ)

コーデックス委員会

(17)

放射性ヨウ素131I 放射性セシウム 134 Cs+137 Cs

飲料水 牛乳・

乳製品 (除根菜・野菜類 芋類)

その他 飲料水 牛乳・

乳製品 野菜類 穀類 肉・卵・魚・その他

日本 300 300 2,000 魚介類2,000 200 200 500 500 500

コーデックス※2 100 100 100 100 1,000 1,000 1,000 1,000 1,000 シンガポール 100 100 100 100 1,000 1,000 1,000 1,000 1,000

タイ 100 100 100 100 500 500 500 500 500

韓国 300 100 300 300 370 370 370 370 370

中国 -- 33 160 食肉・水産物470

穀類190 芋類89

-- 330 210 260 肉・魚・甲殻類 800 芋類90 香港 100 100 100 100 1,000 1,000 1,000 1,000 1,000

台湾 300 55 300 300 370 370 370 370 370

フィリピン 1,000 1,000 1,000 1,000 1,000 1,000 1,000 1,000 1,000 ベトナム 100 100 100 100 1,000 1,000 1,000 1,000 1,000 マレーシア 100 100 100 100 1,000 1,000 1,000 1,000 1,000 米国 170 170 170 170 1,200 1,200 1,200 1,200 1,200

EU※3 300 300 2,000 2,000 200 200 500 500 500

 

単位Bq / kg

放射性核種に係る日本、各国及びコーデックスの指標値※1

※1 : 緊急事態発生により放射性物質が広範に放出されたような場合における指標値

※2 : コーデックスにおいては、放射性ヨウ素の欄に記載した数値(100)は、Sr90、Ru106、I129、I131、U235の合計    放射性セシウムの欄に記載した数値(1,000)は、S35、Co60、Sr89、Ru103、Cs134、Cs137、Ce144、Ir192の合計

※3 : EUについては、日本の食品にのみ適用する規制値を掲載

食品と放射能

Q

&

A

(18)

 この暫定規制値の根拠となっている数値(放射性ヨウ素:甲状腺への影響

を表す線量である甲状腺等価線量50mSv(ミリシーベルト)/年、放射性セシ

ウム:被ばくした部位に関係なく人の全身への影響を表す実効線量5mSv

(ミリシーベルト)/年)に関して、食品安全委員会は「放射性物質に関する緊

急とりまとめ」(3月29日)において、

(1)国際放射線防護委員会(ICRP)が、1984年に、公衆の放射線防護のために

対策をとるべきレベルとして、その対策が常に必要とされる上限線量 レベルを50mSv(ミリシーベルト)/年、これより低いレベルでは対策が 正当化されない下限線量レベルを5mSv(ミリシーベルト)/年(個々の 臓器は50mSv(ミリシーベルト)/年)と提案した。これを受け、原子力安 全委員会は平成10年に、防護対策を導入すべきかどうかを判断する線量 (実効線量)を、ICRPの下限線量と同等の5mSv(ミリシーベルト)/年とす るとともに、放射性ヨウ素については、甲状腺への影響を考慮し、個々の臓 器の下限線量と同等の50mSv(ミリシーベルト)/年とした。

(2)様々な知見を整理したうえで、放射性ヨウ素に係る年間50mSv(ミリ

シーベルト)の線量は、食品由来の放射性物質が体内に摂取されるこ とを防ぐ上で相当な安全性を見込んだものである 。

(3)放射性セシウムに係る年間5mSv(ミリシーベルト)の線量は、食品由

来の放射線被ばくを防ぐ上でかなり安全側に立ったものである(年間 10ミリシーベルト(ICRP1992年)について緊急時に不適切とまでも言 える根拠もみいだせていない)。

としています。

 暫定規制値は、食品の放射能濃度が半減期に従って減っていくことを 前提に、このレベルの汚染を受けた食品を飲食し続けても健康影響がな いものとして設定されています。このように、暫定規制値は、相当の安全 を見込んで設定してあり、出荷停止となった食品をそれまでの間、一時的 に飲食していたとしても健康への影響は心配ありません。

3

暫定規制値を超える食品を

一時的に食べても「健康に影響はない」

というのは本当ですか。

1

2

食品の放射性物質に関する規制

(19)

  参考 

2

暫定規制値の算出根拠

食品と放射能

Q

&

A

①放射性ヨウ素について ICRP publication 63(1992)等の国際的動向を踏まえ、防護措置により免れる線量 がそれ以上なら防護対策を導入すべきかどうか判断する数値である甲状腺等価線 量50mSv(シーベルト)/年を基礎として、(1)飲料水、(2)牛乳・乳製品、(3)野菜類 (根菜、芋類を除く。)の三つの食品カテゴリーについて指標を策定しています。な お、穀類、肉類等を指標から除いたのは、放射性ヨウ素は半減期が短く、これらの食 品においては、食品中への蓄積や人体への移行の程度が小さいからです。 三つの食品カテゴリーに関する摂取制限指標の算定は、まず、三つの食品カテゴ リー以外の食品の摂取を考慮して、50 mSv(ミリシーベルト)/年の2/3を基準 とし、これを三つの食品カテゴリーに均等に1/3ずつ割り当てています。次に我 が国における食品の摂取量を考慮して、それぞれの甲状腺等価線量に相当する食 品カテゴリー毎の摂取制限指標(単位摂取量当たりの放射能)を算出しています。  

全食品を(1)飲料水、(2)牛乳・乳製品、(3)野菜類、(4)穀類、(5)肉・卵・魚・その他 の五つのカテゴリーに分けて指標を算定しています。

具体的には、防護措置により免れる線量がそれ以上なら防護対策を導入すべきか どうか判断する数値である実効線量5mSv(ミリシーベルト)/年を各食品カテゴ ②放射性セシウムについて

 

国際放射線防護委員会 (ICRP)

(International Commission on Radiological Protection)

1928年に設立された国際X線・ラジウム防護委員会を継承し、1950年 に放射線防護の国際的基準を勧告することを目的として設立された国際 委員会(非政府機関)で、世界の医学・保健・衛生等の権威者を集めて構成 されている。我が国の法律もこの委員会の勧告に沿って線量限度などを定 めている。

(出典:(財)原子力安全研究協会「緊急被ばく医療のホームページ」より)

(20)

 当初は、蓮舫消費者担当大臣メッセージでも、「食品衛生法上の暫定規 制値を超えた食品を一時的に摂取したとしても、直ちに健康に影響を及ぼ すものとは考えられません。」としていました。

 仮に暫定規制値を超える食品を一時的に食べても、被ばくする放射線量 に直すと極めて微量であり、身体に急性的な症状が出ることは考えられま せん。将来的な健康への影響も、問3で述べたように心配はないと考えま すが、放射性物質である以上、摂取し体内に蓄積した場合の影響が皆無と は言えません。こうした趣旨を「直ちに・・・考えられません」という文言で 表現していました。

 しかし、「直ちに・・・考えられません」という文言は、将来的には健康へ の影響が確実に生じるかのような誤解を生む可能性がありますので、4月 1日に、メッセージから「直ちに」という文言を削除しました。

4

当初は「直ちに健康に影響を及ぼすものとは

考えられません」と言っていたのに、その後、

「直ちに」という文言が削除されたのは

なぜですか。

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2

3

※ : ICRPによれば、100mSv(ミリシーベルト)被ばくすると、がんの死亡率が0.5%程度上昇 すると言われています。それ以下の弱い放射線でも浴び続ければ、まったく無害とは言い 切れません。ただし、低線量の被ばくでは、現実の統計で有意な差が表れるような影響では ないと考えられます。

食品の放射性物質に関する規制

(21)

 食品中の放射性物質に関する検査は、原子力災害対策本部(本部長:内閣 総理大臣)が定めた「検査計画、出荷制限等の品目・区域の設定・解除の考え 方(平成23年8月4日改正)」を踏まえ、厚生労働省が示した「地方自治体の 検査計画」に基づき、各都道府県で実施されています。

 各都道府県で実施された食品中の放射性物質の検査結果は、厚生労働省 が集約し公表しています。

5

農産物はきちんと

モニタリング検査が行われているのですか。

1

2

食品と放射能

Q

&

A

   参考 

重点的にチェックする食品  (1) 暫定規制値を超える放射性物質が検出された品目  ア 野菜類等(露地物を優先して選択)

    ホウレンソウやコマツナなど非結球性葉菜類、カブ、キャベツ、ブロッコリー、     パセリ、セリ、ウメ、原木しいたけ(露地栽培)、たけのこ、くさそてつ、

    生茶、荒茶、製茶   イ 乳

  ウ 水産物

    イカナゴ稚魚、シラス、アイナメ、エゾイソアイナメ、ホッキガイ、ムラサ キイガイ、     キタムラサキウニ、ワカメ、アラメ、ヒジキ、ワカサギ、ヤマメ、 アユ、ウグイ エ 肉 

    牛肉

 (2) 国民の摂取量を勘案した主要品目 

   (米、飲用茶、牛乳、ダイコンなどの淡色野菜、ニンジンなどの緑黄色野菜など)  (3) 当該自治体において出荷制限を解除された品目

 (4) その他国が別途指示する品目  (5)上記のほかの対象品目

  ア 生産状況を勘案した主要農産物

  イ 市場において流通している食品(生産者情報が明らかなもの)    なお、広域に回遊する水産物については国が自治体に別途指示する。

(22)

 「出荷制限」は、食品衛生法に基づく暫定規制値を超える食品が地域的な

広がりをもって見つかった場合に、放射性物質を含む食品の摂取による 内部被ばくを防止するため行われます。原子力災害対策特別措置法に基 づき、原子力災害対策本部長(内閣総理大臣)から関係知事あてに指示しま す。この指示に基づき、関係知事は、出荷を控えるよう関係事業者などに要 請します。

 「摂取制限」は、著しく高濃度の放射性物質が検出された場合などに、「出 荷制限」に加え、農作物の所有者が自己判断で食べることまでも、原子力災 害対策本部長(内閣総理大臣)から関係知事あてに指示して制限するもの です。したがって、生産者が自ら栽培した農産物や家庭菜園で栽培された 農産物を食べることも差し控える必要があります。

 暫定規制値を超えた農作物について、国が出荷制限する前などに、農協 や県の独自の判断により出荷が自粛されることがあります。これらの情報 は県や農林水産省のホームページにおいて公表されています。

1

出荷制限と摂取制限の仕組みは。

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3

「出荷制限」及び「摂取制限」と解除の考え方

3

 

国が行う出荷制限・摂取制限 の品目・区域の設定条件

1 品目

   暫定規制値を超えた品目について、生産地域の広がりがあると考えられる 場合、当該地域・品目を対象とする。

2 区域

   JAS法上の産地表示義務が県単位までであることも考慮し、県域を原則とす る。ただし、県、市町村による管理が可能であれば、県内を複数の区域に分割 することができる。

3 制限設定の検討

 (1) 検査結果を踏まえ、個別品目ごとに検討する。

 (2) 制限設定の検討に当たっては、検査結果を集約の上、要件への該当性を  総合的に判断する。必要に応じて追加的な検査の指示を行う。

 (3) 暫定規制値を超える品目について、地域的な広がりが不明な場合には、  周辺地域を検査して、出荷制限の要否及び対象区域を判断する。

 (4) 著しい高濃度の値が検出された品目については、当該品目の検体数にか  かわらず、速やかに摂取制限を設定する。

(23)

 4月26日に千葉県の記者会見で、千葉県香取市産ホウレンソウが、出荷制 限中だったにも係わらず、出荷されていたことが明らかになりました。その 後、千葉県による卸売業者等への調査により流通量や流通経路が判明し、県 は(株)八日市場青果地方卸売市場に対し、千葉県卸売市場条例に基づき、業 務の改善を勧告しました。

 この勧告に基づき、(株)八日市場青果地方卸売市場は、農作物の荷受の際 に住所・氏名等の確認を行うなどの改善をしました。

 また、千葉県は、県内の他の青果卸売市場(30市場)に対しても緊急調査を 実施し、(株)八日市場青果地方卸売市場以外に、出荷制限が指示されたホウ レンソウなどを入荷した卸売市場はなかったことを確認しています。

 食品衛生法に基づく暫定規制値は、相当の安全を見込んで設定されており (2.問3参照)、数値を超えた食品を一時的に食べたからといって健康への 影響はないと考えられますが、出荷制限の扱いとなった食品が市場に出回る ことは、二度とあってはなりません。国、地方自治体、関係機関が、流通経路で しっかりとチェックしていくことにしています。

 消費者庁は、香取市産ホウレンソウに関する事実関係を独自に現地で調査 し、報告書を6月13日に公表しました。その中で示した再発防止策は以下の とおりです。

(1)都道府県知事による出荷制限の徹底

  出荷制限について生産者へ周知されているかや、出荷管理が徹底され    ているかを確認し、適切に指導を行う必要がある。

(2)出荷制限に関する生産者への十分な説明

  関係自治体は、出荷制限の指示がなされた経緯などについて詳しい説    明を行い、生産者に十分に理解・納得してもらうよう努力することが 

2

出荷制限期間中の

千葉県香取市産ホウレンソウ1万束以上が出荷され、

そのほとんどが消費されていた、とのことですが。

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3

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(24)

「出荷制限」及び「摂取制限」と解除の考え方

3

 国は、原子力災害対策特別措置法に基づき、4月22日午前0時以降、福島 第一原子力発電所から半径20キロ圏内(海域も含む)を「警戒区域」に設定 し、この区域への立入りを制限しています。

 これは、もともと、この地域を「避難指示区域」にしていたのですが、関係 自治体との調整が整ったことにより、法律の根拠に基づき住民等の立入り を禁止することができる警戒区域に置き換えたものです。原子力発電所か ら放出される放射性物質の量が増えるなど、食品の安全に関わる問題が新 たに生じたわけではありません。

 出荷制限の解除は、原子力災害対策本部長である内閣総理大臣が「検査 計画、出荷制限等の品目、区域の設定・解除の考え方(平成23年8月 4日改 正)」に基づき、一定の要件が満たされた場合に行います。

 現時点での具体的な解除の要件は、以下のとおりです。 ① 放射性ヨウ素の検出値に基づき指示された出荷制限等

  当該区域毎に原則として複数市町村(過去に暫定規制値を超えた市町  村は必ず検査し、その他の市町村は原則として同一市町村での検査は行  わない)で1週間ごとに検査し、検査結果が3回連続、暫定規制値以下で  あること。

② 放射性セシウムの検出値に基づき指示された出荷制限等

  当該区域毎に原則として1市町村当たり3か所以上(過去に暫定規制  値を超えた市町村は必ず検査する)、直近1か月以内の検査結果が全て  暫定規制値以下であること。

③ なお、解除の判断にあたっては、福島第一 原子力発電所の事故の状況  も考慮する。

 10月20日現在、福島県の一部地域の野菜を除き、出荷制限が解除されて います。

3

住民が立ち入れない地域がある一方で、

なぜ野菜の出荷制限は解除できるのですか。

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(25)

食品と放射能

Q

&

A

 

A市 B市 C市 D市 E市 F市 G市 H市 これまでの検査 ● ○ ○ ○ ● ○ ○ ○

1回目 ○ ○ ○ ○ 2回目 ○ ○ ○ ○ 3回目 ● ○ ○ ○

出荷制限 解除

○ : 暫定規制値以下 ● : 暫定規制値超過 ○ : 暫定規制値以下

● : 暫定規制値超過

西部 東部

 参考 

(1)県を、図のように例えば東部・西部の2つのブロックに分けます。 

(2)これまで、東部・西部の1つずつの市で暫定規制値を超えた農作物があると仮定 します。

(3)これから行う3回の検査では、これまでの検査で暫定規制値を超えた市は3回連 続検査します。

(4)他の市では、3回の検査のうち、1回検査を行い、対象市町村を変えていきます。 (5)以下の表のような検査結果となった場合には、県西部は出荷制限解除となります。

F市

西部 東部

△△県の検査状況

これまでの結果

E市 A市

B市 C市

G市

D市 H市

● ●

継続

(26)

 野菜にはいろいろな種類がありますが、国際的な食品分類を活用して、 空中から落下する化学物質を受ける野菜の形や、葉の面積などを考慮して 分類しています。

 具体的には、以下のような分類となっています。 (1)主に「葉」の部分を食べるもの:葉よう菜さい類

※葉の形により以下のとおり分類されます。

○ 葉が重ならずに各々広がった状態のもの:「非ひ結けっきゅう球せい性よう葉菜さい類るい」  →ホウレンソウ、コマツナ、ミズナ、チンゲンサイ、ナバナ(カキナ)、  非結球レタス(ロメインレタス、サニーレタスなど)、シュンギク ○ 葉が重なりあって球状になっているもの:「結けっきゅう球性せ い葉よう菜さい類るい」  →キャベツ、ハクサイ、結球レタス

(2)「花や蕾つぼみ」の部分を食べるもの:花か蕾らい類あるいは花か菜さい類   →ブロッコリー、カリフラワー

(3)「果実」の部分を食べるもの:果か菜さい類   ○ウリ科の果菜類→キュウリ、カボチャ     ○ナス科の果菜類→トマト、ナス、ピーマン (4)主に「茎や葉」の部分を食べるもの:茎けい菜さい類

  →セロリー、アスパラガス

(5)ネギの仲間のうち、「葉」の部分を食べるもの:ネギ属野菜類   →ネギ、ニラ

(6)「熟していない豆やさや」を食べるもの:未成熟豆類   →エダマメ、サヤインゲン、サヤエンドウ

(7)「地中の根など」の部分を食べるもの:根こん菜さい類   →ダイコン、カブ、ニンジン

 野菜類等には「茶」も含まれます。

 畑から収穫された「生葉」、それを乾燥・成形した「荒茶」、各地の荒茶をブ レンドし、さらに乾燥させて仕上げた「製茶」があります。それぞれ、食品衛 生法に基づく暫定規制値(放射性セシウム:500Bq(ベクレル)/kg)の対象に

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3

1

摂取制限等の指示において、

どのような考え方で野菜を分類しているのですか。

また、

「野菜類等」にはお茶が含まれますか。

野菜の安全性

(27)

食品と放射能

Q

&

A

 

原子力発電所の事故直後は、放射性ヨウ素などの放射性物質を含む大気 中の細かいチリが雨水などと一緒に空中から落下し、葉の表面に付着した と考えられます。このため、葉の表面が上を向いて広がっているホウレン ソウなどの「非結球性葉菜類(ひけっきゅうせいようさいるい)」では、他の 野菜に比べて高い濃度の放射性物質が検出される例が見られました。関係 17都県で実施している野菜の放射性物質検査の結果においても、3月から 5月末までに2,502点の検査が実施され、暫定規制値を超えるものが134点 ありました。

 その後、大気中の放射性物質濃度は低くなってきましたが、3月下旬以 降に土壌を耕し、種をまき、または苗を植え替えて収穫期を迎える野菜は、 土壌に含まれる放射性物質が根から吸収される可能性があり、注視してい く必要があります。

 関係17都県で実施している野菜の放射性物質検査の結果では、6月から 9月末までに検査された3,464点すべてが、暫定規制値以下となっていま す。

 なお、放射性ヨウ素は半減するまでの期間が8日間と短いのに対して、 放射性セシウムは半減期が長いため(セシウム137は30年)、将来にわたっ てしっかりと調査していくことが重要です。

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野菜の放射性物質検査は、

(28)

   参考 

生鮮食品品質表示基準(平成12年農林水産省告示第514号)(抄)

(生鮮食品の表示事項)

(生鮮食品の表示の方法)

第3条 生鮮食品(業務用生鮮食品を除く。以下この条及び次条において同じ。)の 品質に関し、販売業者(販売業者以外の包装等を行う者が表示する場合には、その者 を含む。以下同じ。)が表示すべき事項は、次のとおりとする。ただし、生鮮食品を生産 (採取及び採捕を含む。以下同じ。)し、一般消費者に直接販売する場合又は生鮮食

品を設備を設けて飲食させる場合はこの限りでない。

第4条 前条第1項第1号及び第2号に掲げる事項並びに同条第2項の内容量の 表示に際しては、販売業者は、次の各号に規定するところによらなければならない。  (1) 略

 (2)原産地

    次に定めるところにより事実に即して記載すること。ただし、同じ種類の生鮮 食品であって複数の原産地のものを混合した場合にあっては当該生鮮食品の 製品に占める重量の割合の多いものから順に記載し、異なる種類の生鮮食品 であって複数の原産地のものを詰め合わせた場合にあっては当該生鮮食品そ れぞれの名称に併記すること。

ア 農産物

国産品にあっては都道府県名を、輸入品にあっては原産国名を記載するこ と。ただし、国産品にあっては市町村名その他一般に知られている地名を、輸 入品にあっては一般に知られている地名を原産地として記載することができ

 国産農産物の原産地表示は、JAS法に基づく生鮮食品品質表示基準によ り、都道府県名あるいは市町村名やその他一般に知られている地名を表示 することが義務付けられています。

 同一県内でも区域に分けて出荷制限等が行われる中で、生産者には、市 町村名や地域名を積極的に表示することが期待されます。

 この表示義務に違反した場合には、JAS法に基づく指示・公表等の行政 措置や刑事罰の対象となります。消費者庁では、引き続き農林水産省や都 道府県と連携し、産地偽装が起こらないよう取締りに努めています。

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3

生鮮農産物の原産地表示は

きちんと行われているのですか。

野菜の安全性

(29)

 家庭菜園で栽培した野菜に含まれる放射性物質の濃度は、その周辺地 域で生産・出荷されているものと似かよっていると考えられます。  したがって、その所在地において出荷制限、摂取制限が行われていない かを確認した上で食べるようにしましょう。

 

 これまでの検査の結果、5月中旬以降は、露地栽培でもハウス栽培で も、通常家庭菜園の対象になるような野菜の放射性物質濃度は低く、暫定 規制値を超える事例はありません(問2参照)。

 なお、野菜等の出荷制限等を行う際には、しいたけなどを除き、露地栽 培・ハウス栽培に関係なく対象としています。これは、ハウスで栽培して いても、換気などによって農作物が放射性物質を含むガスやチリを浴び る可能性があること、また流通段階においても、ハウスものと露地ものと は通常は区分されていないことなどを踏まえた対応です。

 

4

家庭菜園の野菜は安全ですか。

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食品と放射能

Q

&

A

(30)

 これまでに述べたように、放射性物質が食品衛生法に基づく暫定規制値 を超える食品は、出荷制限などにより流通させないことになっています。 ですから、市場で販売されている野菜に関し、特別な対策を行う必要は基 本的にありません。

 なお、熱によって放射能が低減することはありませんが、独立行政法人 放射線医学総合研究所によれば、「野菜を洗う、煮る(煮汁は捨てる)、皮や 外葉をむく、などによって、汚染の低減が期待できます」とのことです。  放射能が特に気になる方は、参考にしてください。

 昆布やワカメなどにはヨウ素が含まれていますが、含まれるヨウ素の量 が一定ではなく、微量のヨウ素しか含まれていない場合もあり、確実な予 防効果は期待できません。

 

野菜をゆでたり洗ったりすると

放射線の値が減りますか。

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1

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食品と放射能

Q

&

A

(31)

 米は国民の主食であり、摂取量、生産量が多く、農家による直接販売を含め多様 な流通形態を持っています。

 このため平成23年度産の米について、まず、生産された米の放射性物質が食品 衛生法の暫定規制値(500Bq(ベクレル)/kg)を超える可能性の高い地域は、4月 に作付制限を実施しています。それ以外の地域で土壌中の放射性セシウム濃度 が比較的高い市町村等では、①収穫前の予備調査、②収穫後の本調査の二段階で 放射性物質の調査が行われています。

 

 予備調査の結果、放射性セシウムの濃度が一定水準200Bq(ベクレル)/kgを超 えた市町村においては、本調査で重点的な調査を行います。作付面積で概ね15ha に1点(概ね集落毎に1点に相当)を試料採取するなど、入念な検査を実施して います。

 本調査の結果、暫定規制値を超える放射性セシウムが検出された場合、市町村 (又は旧市町村)単位で、その地域の全ての米について出荷制限されます。

 出荷制限が行われた場合、米は一年一作のため、平成23年産米については出荷 制限の途中解除は行われません。さらに、いわゆる食糧法に基づく省令により、 出荷制限された区域の米については、廃棄処分が義務付けられます。

 平成22年産以前の米は、今回の原子力発電所事故の前に収穫され、貯蔵されて いたものです。事故の発生後も屋内で適切な管理の下に貯蔵されている限り、放 射性物質を含むガスやチリを浴びることはありません。 

 平成23年産米の放射性物質調査は、10月20日現在、関係17都県のうち16都県

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お米はきちんと検査されるのですか。

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食品と放射能

Q

&

A

米の安全性

(32)

 福島第一原子力発電所の近くの海では、現在、出漁が行われていません ので、同原子力発電所周辺で水揚げされた水産物は市場に出回っていませ ん。

 福島県で水揚げされた「イカナゴの稚魚」から、食品衛生法に基づく暫定 規制値を上回る放射性物質が検出されました。これは、魚の安全性を確認 するために試験的に漁獲されたものですが、この結果を受け、同県で水揚 げされるイカナゴの稚魚について、4月20日付で、原子力災害対策本部長 (内閣総理大臣)から知事に対し、出荷制限および摂取制限に関する指示が

出されました。

 また、福島県内の一部の河川や湖沼で採捕された「ヤマメ(養殖を除 く)」、「ウグイ」、「アユ(養殖を除く)」からも、食品衛生法に基づく暫定規 制値を上回る放射性物質が検出されたことを受け、6月以降、これらにつ いても出荷制限の指示が出されています。

 福島県に隣接する県の海域においても、各県が漁業を再開する前に、試 験的に漁獲した水産物に含まれる放射性物質の検査を行い、その分析結果 が暫定規制値を超えないことが確認された場合にのみ、漁業を再開するこ とになっています。

 漁業再開後も漁獲された水産物の安全確認のため、放射性物質の検査を 継続して週1回程度行います。

 

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現在販売されている水産物は

食べても大丈夫ですか。

魚の安全性

(33)

  参考 

 国産の生鮮水産物の原産地表示については、JAS法に基づく生鮮食品品 質表示基準により、「生産した水域の名称」(水域名)を記載しなければな りません(例:茨城県沖、三陸沖、銚子沖など)。

 ただし、水域をまたがって漁をする場合など、水域名の記載が困難な場 合には、「水揚げした港名又はその属する都道府県名」をもって水域名の 記載に代えることができることになっています。

 この表示義務に違反した場合には、生鮮農産物と同様に、JAS法に基づ く指示・公表等の行政措置や刑事罰の対象となります。消費者庁では、農林 水産省や都道府県と連携し、産地偽装が起こらないよう取締りに努めてい ます。

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生鮮水産物の原産地表示は

きちんと行われているのですか。

第3条 生鮮食品(業務用生鮮食品を除く。以下この条及び次条において同じ。)の品質に 関し、販売業者(販売業者以外の包装等を行う者が表示する場合には、その者を含む。以下 同じ。)が表示すべき事項は、次のとおりとする。ただし、生鮮食品を生産(採取及び採捕を含 む。以下同じ。)し、一般消費者に直接販売する場合又は生鮮食品を設備を設けて飲食させ る場合はこの限りでない。

第4条 前条第1項第1号及び第2号に掲げる事項並びに同条第2項の内容量の表示に 際しては、販売業者は、次の各号に規定するところによらなければならない。

(1) 略 (2) 原産地

    次に定めるところにより事実に即して記載すること。ただし、同じ種類の生鮮食品で    あって複数の原産地のものを混合した場合にあっては当該生鮮食品の製品に占める    重量の割合の多いものから順に記載し、異なる種類の生鮮食品であって複数の原産    地のものを詰め合わせた場合にあっては当該生鮮食品それぞれの名称に併記する    こと。

生鮮食品品質表示基準(平成12年農林水産省告示第514号)(抄)

(生鮮食品の表示事項)

(生鮮食品の表示の方法)

(34)

1

 健康な乳牛から搾られた原乳は、その酪農家のタンクで10℃以下に冷却 し、2日程度貯蔵されます。

 その各酪農家の原乳(搾ったままの乳)をタンクローリーで集め、さらに 多数の酪農家の原乳と合わせてクーラーステーションと呼ばれる原乳の 冷蔵保管施設にいったん保管します。その後、乳業工場に輸送されるのが 一般的です。

 このように、酪農家が生産する原乳は、クーラーステーションに集めら れた後、原料として乳業工場に出荷され、個々の酪農家が生産した原乳を そのまま消費者が飲むわけではありません。

 したがって、消費者に提供される牛乳・乳製品の安全性を確保するため には、個々の酪農家ごとではなく、クーラーステーション単位で放射性物 質に関する検査を行っています。

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原乳は、農場単位でなく

クーラーステーション単位で検査が行われています。

これでは、暫定規制値を上回っているものとそうでないものが

混合され、正しい検査にはならないのでは。

牛乳・肉・卵の安全性

酪農家

クーラーステーション

乳業工場

消費者

原乳

原乳

多数の酪農家から集め られたもの

牛乳乳製品

原乳から牛乳乳製品ができるまで

(35)

 牛乳・乳製品については、原乳の原産地ではなく、「乳業工場の所在地」 が、食品衛生法に基づく表示義務になっています。

 このため、消費者が牛乳・乳製品の表示を見ても、原乳の原産地を確認で きない場合があります。また、季節などによっても原産地が変わることも ありますので、こうした牛乳・乳製品の情報についてお知りになりたい方 は、牛乳・乳製品の製造事業者(メーカー)のお客様相談室などにお問い合 わせください。

 なお、地域的広がりをもって食品衛生法に基づく暫定規制値を超える放 射性物質が検出された場合は、原子力災害対策本部長(内閣総理大臣)より 関係知事に対し、出荷制限などの指示が出されます。この場合、農協又は乳 業者が、クーラーステーションへの出荷段階又は乳業工場への出荷段階 で、原乳の出荷者名や地域の確認を行うこととなっています。したがって、 出荷制限等の対象地域の原乳が、牛乳・乳製品の原料として使用されるこ とはありません。

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牛乳の表示のどこをみれば

その原産地がわかるのですか。

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(36)

 肉や卵については、現在、放射性ヨウ素の暫定規制値は定められていま せん。

 これは、放射性ヨウ素が半減するまでの期間が8日間と短いのに対し、 肉や卵の生産から人が消費するまでには、それ以上の期間がかかり、放射 性ヨウ素の肉・卵への蓄積や、人への移行の程度が小さいと考えられるた めです。

 なお、放射性セシウムに関しては、半減するまでの期間(物理学的半減 期)が約30年と長いため、食品衛生法に基づく暫定規制値として500Bq(ベ クレル)/kgが定められています。

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肉や卵に、放射性ヨウ素の

暫定規制値を定める必要はないのですか。

牛乳・肉・卵の安全性

(37)

食品と放射能

Q

&

A

 放射性物質に汚染された稲わらを与えられた可能性のある牛が出荷さ れていたことが分かり、その数は10月20日現在、4,860頭に上っています。 このうち1,605頭の牛の肉が検査され、119頭の牛の肉(検査された牛のう ち約7.3%)から暫定規制値を超える放射性セシウムが検出されています。  

 収穫後から水田に放置されていた稲わらは、土の上に横たえられていた ため、降下物を受け止める表面積が大きく、放射性物質の降下の影響を受 けやすい状態でした。飼料は、原発事故前に刈り取り、屋内に保管している ものを使うようにとの注意事項が十分に守られず、原発事故後も水田に放 置されていた稲わらが一部で肉牛に与えられ、その中には、粗飼料給与の 目安300Bq(ベクレル)/kgを超える放射性セシウムを含むものがありまし た。

 農林水産省は、あらためて上記の注意事項の徹底を図るとともに、粗飼 料については300Bq(ベクレル)/kg以下であることを地域毎に確認するよ う指導しています。さらに、原発事故後の稲わらの利用状況の調査を全て の都道府県に要請し、放射性物質に汚染した稲わらを与えられた可能性の ある牛を把握しています(その結果は毎週公表)。

 現在、放射性物質に汚染された稲わらを与えられた可能性のある牛は、 出荷自粛されています。また、原子力災害対策本部長(総理大臣)から出荷 制限の指示が福島県、宮城県、岩手県、栃木県に出されました。4県とも10 月20日現在では一部解除され、全頭調査か全戸調査を行い暫定規制値以下 となった場合には、市場流通が可能となっています。

 また、出荷されてしまった4,860頭の牛は、各牛の個体識別番号が公表さ れています。該当する牛の肉は県が調査を進め、市場に流通していた場合

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牛肉が大問題になりましたが、

(38)

牛乳・肉・卵の安全性

   参考 

牛肉のトレーサビリティと牛の個体識別について

(1)国内で生まれたすべての牛と輸入牛に、10桁の個体識別番号が印字された耳標が   装着されます。

(2)個体識別番号によって、その牛の性別や種別(黒毛和種など)に加え、出生から、肉用   牛であれば肥育を経てとさつ(食肉にするためのと畜・解体処理)まで、乳用牛であれ   ば生乳生産を経て廃用・とさつまでの飼養地などがデータベースに記録されます。 (3)その牛がとさつされ牛肉となってからは、枝肉、部分肉、精肉と加工され流通していく

  過程で、その取引に関わる販売業者などにより、個体識別番号が表示され、仕入れの   相手先などが帳簿に記録・保存されます。

(4)これにより、国産牛肉については、牛の出生から消費者に供給されるまでの間の   追跡・遡及、すなわち生産流通履歴情報の把握(牛肉のトレーサビリティ)が可能   となります。

農林水産省「牛肉のトレーサビリティと牛の個体識別(パンフレット)」より  

(39)

食品と放射能

Q

&

A

(40)

牛乳・肉・卵の安全性

 国と関係各県が協力して、放射性セシウムの暫定規制値を超える牛肉が 流通しないよう、各県内のと畜場における牛の全頭検査や、全戸検査の強化 などに取り組んでいます。

 この取組の前に、既に汚染稲ワラを与えられた可能性のある牛の肉が一 部出荷されていたため、該当する牛の個体識別番号、と畜日、出荷先卸売市 場などの情報を公表するとともに、流通途上で該当する牛の肉が発見され た場合は、販売中止や、優先的な放射性物質濃度の検査・回収等が行われて います(8.問4参照)。

 

 消費者庁のホームページでも、放射性セシウムに汚染された稲わらを与 えられた可能性があり、流通していることが確認された牛について、個体識 別番号とそれらの牛の肉の放射性セシウム検査結果を掲載しています。  ご自宅の冷蔵庫などで該当する牛の肉を発見された場合にはお近くの保 健所へ連絡してください。

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牛肉を食べるのが不安です。どう行動したら

参照

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